■安全で美味しいお米を選ぶには?

玄米をおいしく食べるには、炊き方を工夫するのも大事ですが、
はっきり言って、おいしいお米を選ぶのが一番です。

よいお米は米自体に水分量が多く、浸水時間が少なくても炊けます。
炊き上がりもボソボソしにくく、扱いやすいので、初心者でもかんたんにおいしく炊けます。

また、玄米は、農薬の蓄積しやすい「ぬか」の部分まで食べるものなので、
農薬を使用していない安全なお米を選ぶ必要があります。
玄米では、農薬を使用したお米と、農薬を使用していないお米で、はっきり、味に差が出やすいです。
(農薬を使用していると、やはりぬかが臭くなるようです)。

では、安全でおいしいお米は、どうやって選べば良いのでしょうか?
いくつかのポイントをお教えいたします。


■美味しいお米は環境から

無農薬、JAS認定、マルチ農法、アイガモ農法…お米に関する情報が氾濫しています。

わたしも自然食品店などで農薬の少ないお米を色々と買って食べてみるのですが、それなりにお金も出しているし、よさそうなものを選んでいるはずなのに、どうしても満足できない時も多く、不思議に思っていました。

ところが…おいしいお米に出会って、生産者さんのサイドからおいしいお米のひみつを伺って、わかりました…。

結論から言えば、
おいしいお米の決め手は、「お米が育つ環境が良いこと」!
これしかないんです。

環境が悪ければ、農薬が散布されてなくても、JAS認定が下りていても、お米は美味しくならなかったり、安全でもない可能性があるんです。

イネが24時間さらされている田んぼの周りの空気が、そしてやがてはイネに吸い上げられる水田の水が生活廃水や上流の農薬、はては環境ホルモンで汚染されていたら…農薬以上に味と安全性を損ねる可能性だってあるわけです。

植物は水と空気と太陽のひかりによって育ちます。ですから、お米にとってよい環境とは
きれいな水
きれいな空気
じゅうぶんな日光

さらに美味しいお米になるには
適度な昼夜の寒暖差のある気候
農薬の使用を抑えること
土壌の質が良いこと
田んぼとその周辺の生態系が豊かなこと

という条件が必要だと言われています。

この条件が備える地域は、
環境の汚染が少ない、水のきれいな山間部」なのです。

古くから米どころと呼ばれるところは、こういう地域ばかりです。
お米の食味コンクールでノミネート、受賞しているお米の田んぼも、この条件を満たすところばかりです。

そういうわけで、
「環境の汚染が少ない、水のきれいな山間部」の
「低農薬・無農薬」のお米を選べば、安全で、おいしいお米に当たる可能性が高いと思います。

さらに、標高(標高が高すぎると温度が低すぎてお米がおいしくなりません)、
日照、土壌の良い田んぼで、農家さんがこまやかに愛情こめてお米を育てているところなら、
なお良いでしょう。

実際に、食味コンクールで賞を受賞するような農家さんは、そのような方が多いのです。


■美味しいお米の入手方法

さて、では、安全でおいしいお米は、どうやって手に入れたらいいんでしょうか。

まず、「環境の汚染が少ない、水のきれいな山間部」という条件を満たすのは
どのような場所でしょうか?

それは、昔から米どころといわれている場所です。

山形、新潟の魚沼、西では、丹波、奥出雲の仁多米など・・・すべて山間部の水のきれいな場所です。
こうした産地のものはやはり環境もお米に適した場所なのです。

そうした地域の中でも、やはり環境に差がありますから、できるだけ、環境について知る情報があれば良いですね。

では、安心の、「低農薬・無農薬」のお米を入手するにはどうすればいいのでしょうか?

ここで、気をつけたいのが「JAS有機認定」。
実はJAS有機認定のお米には、農薬がたくさん使用されている可能性があります。JASが「天然系」と認定した農薬なら、何度使用してもJAS認定が下りるんです。

つまり、JAS認定だからと安心していると、使用された農薬量が不透明なお米を食べている可能性があるんです。
また、この認定は、認定員さんに何度も足を運んでもらったり使っているものを報告したり、結構めんどうなプロセスを踏み、お金もかかります。
ですから、本当にお米に愛情をかけたい農家さんでは、この認定の手間を嫌い、申請しない人も多いのです。

毎日食べるお米ですから、がんばっている農家さんを応援してあげたいものですよね。

おすすめは、とにかくインターネットなどで、できるだけ情報開示しているところから買うことです。肥料は何を使っているか、農薬、除草剤は何回使用したか、農家さん自身の、農薬に関する考え方など、できるだけ「顔が見える」場所から買いましょう。

そして、大手のスーパーやデパートなど、中間に沢山の業者が入る場所から買うより、できるだけ、直接に近い取引ができる場所で買ったほうがいいと思います。

そうすれば、農家さんの様子、人柄などが分かりますし、中間マージンが少なくて、入手するわたしたちも安くあがるばかりでなく、農家さん自体もより潤うからです。